石川療育センター

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あそびのQ&A

活発なお子さんについて

2020/5/15

 作業療法外来で親御さんより、「うちの子落着きがなくて、困ります…」という相談を受けます。たとえば、イスにじっと座っていられない、人の話に集中できない、結果を考えず危険なことを平気で行なうなど落ち着きがない要因を感覚統合理論の視点からお話ししたいと思います。

 考えられる要因は三つあります。一つ目は、自己刺激によるもの、二つ目は、刺激の取捨選択が出来ない、三つ目は、運動企画のまずさによるものです。

 一つ目の自己刺激によるものとはどういうことでしょう。例えば、私たちが長距離ドライブをしていると、覚醒レベル(脳が目覚めている状態)が低くなり眠たくなってきます。運転を続けるために自分で頬を叩いたり、首を回す・背筋を伸ばす・ガムを噛むなど筋肉を刺激したり、また、車から降りて歩く・走ることで、頭や体の動きの感覚を取り込む行動をとります。これが自己刺激といわれるものです。 
 落ち着きのない子どもたちの中には、日常的にこのような感覚刺激に対する反応性が低いため、必要以上に走り回ったり、飛び跳ねることで頭や体の動きを感じたりや筋肉への刺激を自己刺激として取り入れることがあります。そうすることで、筋肉の緊張を高めたり覚醒レベルの調整をしているとも考えられます。
このようなお子さんの対応として、覚醒状態が低く、感覚刺激に対する反応性が低い場合は、無理に座らせたり動きを止めたりせずに、体をいっぱい使う運動を行なってみましょう。反対に興奮気味で反応性の高い場合は、リズミカルでゆっくりとした心地良い揺れ刺激(例えば抱っこやブランコ)や触覚刺激(毛布に包まるなど)により気持ちを落ち着かせてみましょう。

 二つ目の刺激の取捨選択ができないと言うのは、周囲から様々な刺激の中から必要な刺激のみを取り出すことが出来ず、不必要に刺激に反応する状態をさします。そのため、何かに取り組んでいても、たまたま目に映ったり、耳に聞こえる刺激に抵抗できず引き寄せられるように反応してしまいます。対応としては、余分な環境刺激を出来るだけ減らします。周りにいる人数や声かけ・指示・物音などを減らしたり、活動する部屋の整理整頓(物の配置、壁の貼り紙など)やつい立て・カーテンなどを使用して何に注目しなければならないのかを、分かり易く環境設定します。

 三つ目の運動企画のまずさと言うのは、物(玩具や遊具など)への具体的な関わり方や、自分自身の体の動かし方が分からずに同じ失敗を何度も繰り返し、一連の活動の進め方や順序などの組み立てができず、見通しを持たないまま他の物に移り変わっていく行動が、『落ち着きのない状態』に見えることをいいます。本人の能力に応じた課題を用い、スケジュールや手順を分かりやすく提示し、見通しを持って行動できるように工夫することで、落ち着きやすくなります。

 多動を起こす要因は一人一人違っていますが、一人のこどもについても、以上に挙げたいくつかの要因が相互に関連していることが多いのです。多すぎる動きに惑わされずに、動かされる要因が多いと捉えることが重要となります。

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